表現の文化と教育

難波正明・小林公江・川口千代 編

(2007年8月)
菊判変形(153×212ミリ)
カラー口絵つき 272ページ
定価(本体2000円+税)
ISBN978-4-915964-07-737


 現在、教育現場では、子どもたちのコミュニケーション能力不足・感性の貧困などの今日的課題を受け、「人として、豊かに生きる力を育てること」が多様な形で問われ続けています。人間がこれまでに言葉や文字、音、色彩・形、身体の動きなどを通して発してきたさまざまな「表現する」行為・文化も、そうした視点から教育上重要な要素として注目されています。

「表現教育」というと、ともすれば音楽・舞踊・美術など従来の芸術分野ごとの個々のカテゴリの中だけで表層的に語られがちですが、本書は、各分野の研究者が、それぞれの研究・フィールドワークの成果を題材としながらも、教育的視点のみにとどまらずに、人間の「表現」行為の本質や「表現」の発露としての文化について、横断的・多層的に考察しているのが特長です。


 「表現」行為・文化の側面から音楽・舞踊・美術など各分野の諸芸術と教育を考える一冊として、幼児教育・学校教育を学ぶ学生のサブテキストにもお薦めです。


【目次】
第1章 表現の行為と文化との地平 (難波 正明・著)
1.表現行為の意味内容/2.文化の営みとしての表現行為/3.文化因子としての遊び/4.経験としての芸術/5.表現の文化の地平

第2章 身近な存在としての表現文化と「わざ」の伝承 (小林 公江・著)
1.布にまつわる文化(布に見られる表現と「わざ」/布へのまなざし)/
2.子どもの民俗文化-わらべうた-(わらべうた/子どもと遊び)/
3.暮らしの中の歌や踊り-民謡・民俗芸能-(民謡/民俗芸能/芸能の変容と工夫~沖縄のエイサーを事例として~/芸能の伝承)/まとめにかえて

プロムナード I  (難波 正明・著)

第3章 舞踊文化と表現 (川口 千代・著)
1.舞踊の歴史的概観と二十世紀のダンス
 (原始/古代/中世/近世/近現代/舞踊に期待されるもの)/
2.各種舞踊文化の分類とその表現技術特性
 (「舞踊文化」の現状/各種舞踊文化の技術特性)/
3.日本の学校における舞踊教育の変遷と今日の学習指導
 (学校体育におけるダンスのはじまり/体操遊戯取調委員会と当時のダンス/大正、昭和初期のダンス/第二次改正から戦時中のダンス/戦後の転換期から今日まで/舞踊教育の現状と課題)
4.舞踊表現とイメージの発達
(舞踊とイメージ/舞踊表現におけるイメージの発達/舞踊創作課程におけるイメージ)

第4章 実技を伴う教科の授業研究-体育科を例として- (森 博文・著)
1.体育科の目標の変遷と授業研究の歩み
 (生活体育論の時期/体力づくり論の時期/楽しい体育論の時期)/
2.授業研究のねらいと方法(授業研究の目的・対象/授業研究の方法)/
3.今後の授業研究の課題(授業観の捉え直しと質的研究/教師教育と授業観察能力/実技を伴う教科の授業観察~まとめにかえて~)

プロムナード II (難波 正明・著)

第5章 認知と表現の発達-誕生から幼児期まで- (岡林 典子・著)
1.認知と表現の発達(認知の発達/認知と表現の関わり)/
2.音楽的な視点から子どものさまざまな表現を捉えるために
 (表現が生み出される過程に注目する/日本の子どもの音楽的表現法を理解する)/
3.日常生活にみられる子どもたちの音楽的表現の実際-発達的変化を踏まえて-(周囲の声や音に気づき、反応する/自ら動いて、音をつくり出す/リズミカルな動作や音声を模倣する/呼吸を整え、バランスよく言葉と動作をまとめる)/
4.子ども社会で機能している音楽的表現の実際-応答唱の成立過程を踏まえて-(呼びかけの唱え言葉を身につける/呼びかけに対する応答の唱え言葉を身につけ、応答唱が成立する/言葉の入れ替えができるようになる/複数の子どもが呼吸を合わせて、言葉と動作を同期させる)/おわりに

第6章 身近な表現の方法-話すこと・歌うこと- (ガハプカ 奈美・著)
1.声を出すということ/2.自然な歌唱のための導入/3.発音と舌の動き/
4.声の響きを求めて/5.全身を使って声を出すために/おわりに

プロムナード III (難波 正明・著)

第7章 絵画制作とコラボレーションの試み (黒田 克正・著)
1.絵画表現ということ/2.絵画表現におけるコラボレーションの試み
3.コラボレーションの具体的試み
 (音楽、演劇、朗読と、舞台美術〔絵画〕とのコラボレーション/音楽、演劇と絵画制作のセッション/音楽演奏〔ジャズ〕と絵画のセッション/現代音楽、ダンスのコラボレーションに舞台美術〔絵画〕での参加/演劇・現代音楽・朗読・セッション/公開制作による実験「画家・齋藤真成とのパフォーマンス・絵画のコラボレーション」)/
4.他者の表現と共存する

第8章 現代日本の一作曲家から見た伝統と創造の問題 (安村 好弘・著)
はじめに/1.《フルート・ソロの為の「破曲」》/
2.《女声合唱組曲「手のひら」より》/
3.《マンドリン・オーケストラの為の万葉「石の章」》/4.《交響的断章》/5.《オーケストラ編成による仏教音楽「花ごよみ」》

第9章 日本画制作におけるコンピュータの活用 (窪田 勝・著)
はじめに/1.伝統的な日本画の技法と画材/2.日本画の基本的な制作過程/3.コンピュータを活用した日本画制作の試み/4.取り組みを終えて

第10章 現代ピアノ作品に見る奏法の拡大と手わざの開拓 (大谷 正和・著)
はじめに/1.ピアノ奏法の拡大と楽器の特性・機能の活用(グリッサンド/
ハーモニックス〔倍音〕/ソステヌート・ペダル)/
2.新たなピアノ奏法の開発と楽器の扱い(トーン・クラスター/内部奏法/
プリペアード・ピアノ)/
3.多様な手わざとその伝承(自由な発想の可能性/その他の特殊なわざと
さまざまな楽譜)/おわりに

索引

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